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久しぶりに感じる史弥の熱に身体が溶けてしまいそうだった。
「…激しくしていい?」
普段の涼しげな瞳からは想像できないほどに欲に支配されたようなその史弥の瞳に、ゾクゾクする。
返事の代わりにぎゅっと抱きつくと、すぐに律動が早まった。
肌と肌がぶつかり合う音。
お互いの乱れた呼吸の音。
まるで悲鳴をあげるように軋むスプリングの音。
2人の結合部から奏でられる卑猥な音。
耳を塞ぎたくなるほどに羞恥が煽られると共に、どうしようもないほどに欲情が掻き立てられる。
言葉では足りないものを、
感情では追いつかないものを、
身体で埋めたかった。
身体で温めたかった。
「んっ、ぁ…っ、あぁ…!」
「…っ、瑠唯」
キツく抱きしめ合い、身体を繋げた私たちにきっと隙間なんてどこにもなかった。
私のナカで欲を吐き出した史弥の震えを感じながら、
――私は確かに、“幸せ”を噛み締めていた。
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