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「あっ、じゃあ今週の日曜、駅前の雑貨屋に行こうよ」 茶碗がないといろいろ不便で困っていたのも事実だし、何より今週こそは日曜日に史弥と会えると思いこんでいた私は、特になんの重みもなくその言葉を発した。 …けど、 私の髪をゆっくりと撫でていた史弥の大きな手がピタリと止まる。 「…ごめん。今週の日曜は用事があるんだ」 そして次の瞬間、耳に届いたその言葉に、私の顔は笑みを浮かべたまま硬直した。 2人の間に重たい沈黙が流れる。 その沈黙を先に破ったのは、史弥の方だった。 「取引先の人たちにバーベキューに誘われてて、どうしても断れない相手なんだ」 「……」 「…本当に、ごめん」 史弥はそう言い終わるか終わらないかのところで、私をギュッと抱きしめた。 その時、一瞬だけ見えた史弥の顔はとても苦しそうで、私の胸を締め付ける。
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