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結局俺が店を後にしたのはあれから一時間後の事だった。
案の定べろんべろんに酔っ払っている専務を先にタクシーに押し込んでから、自分も大通りでタクシーを拾う。
十数分後、自宅であるマンションに着いた。
玄関を抜けて真っ先に向かったのは脱衣所。
飲みに出た時は、帰宅したら何よりも先にシャワーを浴びる事が習慣づいていた。
煙草とアルコール、それから女物の香水の匂いがこびりついているのが自分でも分かる。
それら全てを洗い流すようにシャワーを浴びた後、リビングに足を踏み入れた。
冷蔵庫の中から取り出したミネラルウォーターのペットボトルを片手に寝室に向かっていると、何かがソファで丸まっている事に気づいてぴたりと足を止める。
「……雫…?」
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