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「なっ、何だよ」 いつの間にか俺は押し倒されていた。 幸い下には座布団が敷いてあったので背中は痛くない。 頭は……神様にしっかり抱えられている。 そして、俺から目を離すまいと見つめている。 「森野君。好きです。大好きです。愛しています」 「ぅ……はあっ、そ、そんなっ……キスばっか、すん…なぁっ」 キスの雨が降り注ぐ。 こんなのしたことない。 こんなの、ずるいだろ…… こんな"愛してる"って伝えられたら、俺は違うなんて言えないじゃないか。 「森野君……ん……ふっ……ん…………」 俺の名前を愛しそうに囁き、またキスをした。 そして神様は微笑みながら───返事、もらえませんか、と聞いてくる。 きっと神様は俺が何て返事するつもりか分かっている。だからこんな、確信を持って尋ねているんだろう。 ───ホント、ずるい。 「神様は本当に俺でいいの?俺なんかよりもっと優しい人はいると思う。その人たちの方がいいんじゃ……」 「君が良いんです」 俺の言葉を遮って、手を取り、口づけ、言葉を続けた。 「君だけが私を思ってくれた。先程もそう言ったでしょう。それがとても嬉しかったんだと。でも、君を選んだのはそれだけが理由ではないんですよ」 そう言いながら俺の両頬をまるで割れものを扱うかのように包んで撫でた。 「私がここから見てきたあなたは、ぶっきらぼうで少し口が悪く、なかなかに素直ではありませんでした」 ───貶してんのか、おい 「貶してなんてないですよ。そこが森野君のいいところじゃないですか」 「今心読んだだろ」 「読んでません!」 少しだけふざけあって空気が柔らかになったかと思うと、真剣な顔をして俺の手を握り締め、真っ直ぐな目をこちらに向けた。 「こう言っても君は信じないかもしれませんが、私には君が運命の人だとわかるんです。」 ───私の心が、君が欲しい、愛しいとずっと叫んでいるんです───
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