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ずっといらないと言われ続けた俺でいいと、他にいらないと。例えそれがクロード様が強いから魔族の力を借りる必要がまるでないからだとしても、それでも幸せだと思った。
「クロード様。」
思わずクロード様の手を握ると、彼の魔力が少し滲むように体に入ってくる。
俺に向かって微笑むクロード様を見て魔術師は「おい、その顔使い魔にする表情じゃないだろ……。」と呟いていたが俺にはもうよく聞こえなかった。
「後、何人か挨拶したら用事はすむからそうしたら家でゆっくりしよう。」
「はい、クロード様。」
俺が握った手は帰るまで離されなかった。
高位魔族の不躾な視線はずっと注がれていたけれど繋がれた手の暖かさと感触で出かける前心配していたほど気にはならなかった。
「クロード様は最高のマスターです。」
「そうか。ならずっと俺のそばから離れない様に。」
何もできない俺にクロード様はそう命令した。
END
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