たのしいね

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夕暮れ空に高らかな笑い声が響いた。 此処は子供から老人まで幅広い年齢層で週末が賑わう場所。 そう、ここは楽しい「_ 園 地」。 「ママ…どこ行ったの…?怖いよぉ…」 幼子がはぐれてしまった母親を探してさまよう。一人、二人…と閉園間近の遊園地からは出口へと人が流れていった。 しかし母親は見えない。 泣きじゃくりながら必死に探し回るが、 無常にも幼子一人になってしまっていた。 「まるであの日の僕と同じだね。」 いつから居たのか小柄な犬のマスコットキャラクターは歩み寄り口角をつり上げた。 「誰…?」 「………僕?僕はね…、将来の君さ。それにきっと、お母さんはもう来ない。」 幼子はまた泣き出してしまった。 夕暮れがくすんだオレンジで埋まっていく…。 「泣かないでよ。これ、あげるから。」 「…?!」 マスコットは燃えていた。いや、燃えるというよりまるで後ろの夕焼けと同化していくようだった。 「どうシたの…?ホら、風船だヨ…」 可愛らしかった外見はみるみるうちに変化していった。皮膚は剥がれかけその下からは紅い炎が覗いた。ギョロリとした目は焦点が定まっていない。 「う、わっ!うあ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ!!!!゙」 幼子は恐ろしくなり逃げ出した。 マスコットは楽しげに声を潜める。 「ケヒ…ヒ…ハッ?最初は鬼ごっコかい…?いいよ。遊ぼウか__次の僕がデきるまデ。」 黄昏時に魅入られた子供はみんな仲間になる。 そう、ここは楽しい 幽 園 地 。 _マスコットは客が入る度に増えていった。
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