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母親の手作りの鶏むね肉の南蛮焼きをいただいた。紗耶香ちゃんは今、母親に料理を習っているところだと言っていた。母親の引越しが終わってからもずっと料理を習っていたと言っていた。
一緒に生活を始めたら食事を作ってくれると言う。学校もあるので、無理しないでくれればよいと思っている。
食事の後片付けが済むと、母親が買い物を忘れたからコンビニへ買い物に出かけると言う。僕たちを二人にしてくれるためだと思った。
母親が出ていくとすぐに紗耶香ちゃんが抱きついて来る。華奢な身体をしっかり抱きしめる。
「ずっと会えなくて寂しかった」
「僕もだ」
キスをする。それからただ抱き合っているだけだった。それでも紗耶香ちゃんは気が済んだみたいだ。身体を離すと穏やかな顔をしている。
「明日は引越しだけど大丈夫?」
「準備はできています。でも引越しをしたらすぐに帰ります。金沢で結婚式の準備がありますので」
「お母さんとゆっくり過ごして準備するといい」
「式を挙げたらずっと二人でいられるから」
「はい」
また、抱き合う。玄関の鍵音で二人は離れた。母親が僕の顔を見るので、軽く頷いて合図した。
次の日の午前中に紗耶香ちゃんの荷物を搬出して、午後一番で僕のマンションへ荷物を入れた。量がそれほど多くないので、すぐに片付いた。元々僕の荷物自体が多くないので、片付ける場所も狭いながらも十分にあった。
これで結婚式を挙げて、新婚旅行から帰ったら、すぐに二人で生活できるようになった。
午後3時までに後片付けを終えて、母娘は金沢へ帰って行った。8時前には母親の新居に到着すると言う。
丁度8時に無事着いたとの連絡が入った。二人とも疲れたのですぐに休むと言っていた。
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