第2章 キジマハヤオ

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そしてランチの時間になった。 流石に今日もシエラに行くお金なんてないので、近くのカフェに行くことになった。 席に着くなり、私は我慢しきれなかったせいか 「で、どうしてラジオの人がキジマハヤオではないわけ?」 と単刀直入に聞いてしまった。 そして、そんな私にあきは何かを決意したように 「えっとねえ。キジマハヤオはもう死んでるの。」 と言った。 もう…死んでる? 「正直本当に生前のキジマと野崎との間に何があったとかはわからない。野崎は私に何にも言わなかったから。でも、キジマが亡くなったことは教えてくれたから知ってる。」 「へ…へえ。」 どう反応していいのかわからない私はそう言った。 「その時の野崎は周りが心配するくらい目に見えて衰弱しきってた。事故の後とは別の、なんて言うか…もぬけの殻って感じで。」 そう言うあきの顔はどこか辛そうな顔をしていた。 そして、続けて 「だからこそ、私は野崎がキジマのことを思い出すのが怖い。思い出した時また野崎がそうならないか心配だから。」 と言った。 そんなあきに私は、どう返せばいいのかわからなかった。 でも残念ながら、話を聞いてて思ったことは私にとってキジマという男がとても大切な存在だったということだった。 ただ、それだけを。    
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