第2章 キジマハヤオ

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結局その後も私は千紘さんに罪悪感を抱きながらも、キジマハヤオのことを考えていた。 相変わらず何も思い出せないけど、色々考えた中で一つだけ確かなことがあった。 それは、あきの言った通り亡くなったキジマハヤオがリクエストメッセージを書けるわけがないということだ。 つまり、ラジオの事は自分の気のせいだったという事だった。 帰り道、コンビニに寄ろうとした時電話がなった。 ♪♪♪♪ ー千紘さんー 「もしもし。」 私はいつもと変わらないように電話に出た。 『あ、洋子?』 「うん。どうしたの?」 『声聞きたくなった。』 そんな甘い言葉を囁く彼に、私の心は一気に千紘さん一色に染まった気がした。 「は…恥ずかしいです!切りますからね!!」 だからなのか、罪悪感はどこか薄れてしまった。 たった一言で…。 『ちょっと、待って!ちゃんと用事があるんだ。親父たちが婚約じゃなくてもう結婚したらどうだ?って言い出してて…。もし良かったら今週中に一度会えないかな?』 「はい、もちろん!今週だったら、週末になっちゃうんですけどいいですか?」 少し否かなり驚いたけど、千紘さんには気づかれないように普段どうりに返した。 『了解。なら、日曜日とかどうかな?』 「大丈夫です!時間も千紘さんに合わせます。」 『本当?それならデートも兼ねてランチでもどうかな?』 「もちろんOKです!」 『良かった。ならまた日曜日に!』 電話を終えた私は、千紘さんの誘いが嬉しかった。 それとともに私はもう少しでこの人のお嫁さんになるんだと、少し感動していた。 なのに一度生まれた罪悪感は、やっぱり彼の声が途絶えたら蘇ってきていた。
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