第Ⅶ部 フィエスタ・デ・パスクワ ~復活祭~

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 その、今までは戦闘能力ゼロだったマルクの変りぶりに驚きを隠しきれない秘鍵団の面々であるが、さらにマルクは聖守護天使の力で悪魔の影響を消してしまう総長ハインリヒティウス・シュプロヨラに対しても、「目には目を、天使には天使だ」と、かつて天使だった〝サタナエル(神の使者)〟の異名を持つ序列68番・偉大なる公爵ベリアルと合一し、天使の命令も聞かないその堕天使の乗る〝燃え盛る戦車〟をハインリヒテゥスに突進させ、同時に破壊した要塞の瓦礫に彼を沈める(イェホシアス会の全員生死不明)。  一方、暴れ回る秘鍵団の討伐にかこつけて乱入したハーソンら羊角騎士団も、ゴリアテが壁を破壊した牢獄からメデイアを助け出す。  そうして散々暴れた後、「新たな船出の余興としてはこれくらいで充分かな?」と逃走を始めるマルク達。  だが、彼らの海賊船レヴィアタン号はすでになく、「一人乗りだけど、こうなったらゴリアテちゃんで逃げよう」と、ここへ来るのにも利用したゴリアテ・ツヴァイのコルベット艦形態での逃走を提案するマリアンネに、「船ならちゃんと用意してある」と、港に泊まる小さなシンドゥーカ風の小舟を示すマルク。  とても全員乗れそうもないその小舟に訝しがるマリアンネ達だったが、すると小舟は遥か上空へと浮び上がり、その下の海中からは象の姿をした四つの外輪付き大型船が浮上する(※外輪には五本足で転がるように動く序列10番・星辰総統ブエルを宿してあり、序列7番・炎の公爵アモンを召喚して蒸気の力で回転させる。それにより陸上走行も可能。小舟はメイン・マスト頂上の見張り台に)。  驚く仲間達に「シンドゥーカで手に入れたオランジュラント製の最新鋭フリュート船だよ。ま、かなり改造しちゃったから原型留めてないけど……ともかくも、これが禁書の秘鍵団の新たな海賊船“バフォメット・デル・インフィエルノ(地獄のバフォメット)号”だ!」とマルクは説明し、秘鍵団の面々はさっそく乗り込む。
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