第3話 あさっての朝に見る夢

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「住民登録なんてあるの!?」 「ああ、昔こちらにきた君の仲間が作ったシステムらしい。便利なんでそれ以来ずっと使われている」 「私って、なんてとこに来ちゃったのかしら」 「登録しておかないと、ポイン……徳がどれだけ貯まったのかわらないし、こちらの設備や備品も使えないから不便だぞ」 「いま、ポイントって言いかけたわよね?」 「言ってない」 「いや、絶対に言ったけど?」 「き、気にするな。じゃ、役場に行こう」 「役場があるのか。まあ……行くしかないから行くけど」  そしてふたりでてこてこ歩いて行く。硯が現れた場所である寺の階段を下りて行くと未舗装の道路にでた。硯が振り返って言う。 「なんか、見慣れているようで見慣れてないっていうか、違和感があるっていうか」」 「この寺のことか?」 「うん、それもだけど、その後ろの山とかそこの沢とか、風景全般に違和感がある。私の住んでいたところと同じようでいて、なんか古くさいっていうか田舎っぽいっていうか」 「地形に関しては、君の住んでいたところとほとんど同じはずだ。ただ、人による開発ってものがされていないので自然が多いのだろうな。護岸工事もされてない、橋も木製だ」 「ふぅん。現世もずっと昔はこうだったのかな?」     
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