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2歳くらいで『ひまわり』に預けられたことや、親の虐待と育児放棄が原因だったこと、そして、その生みの親にはもう二度と会えないこと――
知ってしまった自分の生い立ちは、『ひまわり』で一緒に暮らす子どもたちにとっては、どれも似たり寄ったりのものだった。
僕にとっても、周りの子どもたちにとっても、居場所は『ひまわり』にしかなかった。
そう思うより他なかった。
希望も期待も、知ってしまった現実がみんな持ち去っていく。
僕は誰からも愛されなかったんだ、という思いが、何も知らずに笑っていた日々を侵食していった。
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