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真山にムカムカしながら午前中の授業を終えると、僕はいつものように中嶋のいる8組に向かった。
「おー矢野。久しぶり」
去年同じクラスだったやつらが珍しく8組に数人集まっていた。
懐かしい喧騒が教室内にあって、思わず僕も笑顔になる。
同じ階にいても意外に会わないもので、なんだか懐かしさもあいまって、つい、久しぶりだな、という言葉が口をついて出てきてしまう。
購買か学食にでも行くか、という話になっていたところに僕と中嶋も入り、それぞれのクラスの話をしながら僕らは1階へと向かっていった。
「そういえば矢野。お前、昨日女に殴られたってマジ?」
階段を降り始めたところで、今年は3組になった巻(まき)が言う。
「お前何したんだよ!」
「また女か!」
ゲラゲラと大きな笑い声が階段ホールに響いていた。
「違うって。何もしてねーし。俺は無実だ」
そう言い返すけれど、矢野ー、という笑い声が僕の声をかき消す。
「殴ったやつ、あれだろ? 噂の――」
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