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お母さんにいっても意味がないのは分かってる。
でも、話したかった。
話さないといけない気がした。
お母さんを見ると、目を見開いたまんま固まっていた
固まったかと思うといきなり棚の中からアルバムを取り出して私の前で開いた。
開いたアルバムには二人の女の子の写真がたくさん貼られていた。
一人は幼い頃の私、もう一人は…
「え…?」
もう一人は隣で楽しそうに笑うしずくちゃんだった。
「お母さんこれ…」
「そうよ…」
お母さんは頷き、話してくれた。
しずくちゃんのことを。
しずくちゃんは、御近所の坂田雫ちゃん。
私より2つ上のお姉さん。
私と仲のいい幼馴染みだったという。
しかし、ある雨の日私が行方不明になった際に探しに行った雫ちゃんが、泣いてる私の上に被さるようにして血だらけになり倒れているのが発見されたそう。
雫ちゃんは何者かに刺された痕跡があり、私を庇って刺されたようだった。
その時にも赤いレインコートを着てたらしい。
そのまま雫ちゃんは助かるすべはなく、亡くなったという。
私はショックのせいか、雫ちゃんの記憶は一切覚えてなかったそう。
「雫ちゃんは、さつきを見守っていたのね…」
お母さんは写真を撫でながら、懐かしそうにそう言った。
私は話を聞き終わると、頬に冷たいものを感じた
涙だった。
すべて思い出した。
昔から私は守られてたんだ…
なのに雫ちゃんにあんなこと言って…
私は一晩中泣きじゃくった。
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