3人が本棚に入れています
本棚に追加
3.雫ちゃん
次の日、つまり私の誕生日も雨だった。
私が傘をさして外に出ると、家の前には雫ちゃんがいた。
「おばさんに聞いたんだよね、さっちゃん。」
「うん、聞いたよ全部…ごめんね雫ちゃん。まだ信じられないよ…雫ちゃんがここにいるなんて。」
雫ちゃんは子どもとは思えない落ち着いた笑顔で話を続けた。
「こちらこそ驚かせてごめんね、さっちゃんが雫を覚えてないの分かってたの。だからあんな風にしか見守れなくて…」
「ううん、助けてくれてありがとう。」
疑心暗鬼な心を隠して笑顔を作る。
まだ、怖いんだ…私。
最初のコメントを投稿しよう!