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「……しずく。」
雨音で消されるんじゃないかと思うほど小さな声で呟いた。
少し嬉しかった。
少女…しずくちゃんはうつ向いたままだけど。
「しずくちゃんは何を…ガシャーーーーーン!」
私が再び何をしているのか聞こうとしたとき、辺りは白くなり、まるで閃光彈のような大きな雷が鳴った。
「しずくちゃん、家においで!」
雷の中、幼い少女をほっとくわけもなく腕を引っ張り家へいれた。
親も共働きで誰もいない家に入ると雷の音がより大きく感じた。
玄関にしずくちゃんを待たせ、私はそそくさとタオルを持ってきてを拭いてあげた。
あんな雨の中にいれば濡れていると思ったから。
しかし不思議なことに全然濡れていなかった。
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