出会いは一度きり

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今の季節は春。 桜の咲く季節になった。 だが、私のカフェの近くには桜など咲いていない。 私が一人で営業してるお店は、森の中にある赤い屋根の小さなお店だ。 辺りを見渡せば、緑ばかり・・・。 「桜が見たい・・・。」 だからと言ってこのお店から離れて、桜を見に行くわけにもいかない。 「せめて、一目だけでも見たかったなぁ・・・。」 そう私は、呟いた時だ。 チャリンチャリン。 お店の扉の開く音がした。 「いらっしゃいま・・・。」 しかしそこには、お客様の姿は見えなかった。 そして、お店の前には桜の花がついた枝が置いてあった。 「これは・・・。もしかして・・・。」     ・・・・・・・ お客様に気を使わせてしまった。 このままでは店長失格。 これは、私も盛大な歓迎しなくては。 私は、厨房に向かい料理を作り始めた。
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