proof

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動物好きがこんなところでも発揮されるのか、飼い犬たちと触れ合ってるときと同じような声音だった。 「やめろってぇ、俺ネコになっちまうぞぉ」 酔っ払いみたいに適当に言いながら、あんまり自分が言わないことだから笑ってしまった。 「それは困る、ハニーはハニーでいてもらわないと」 大げさに困ったように言いながら、彼はまた俺の体をベッドに押し返してきた。 組み伏せられて、彼の指先が俺の手首を掴むようにしながら、徐々に手のひらへ這い上がり、最終的に指先に絡んでくる。 「この体が堪能できなくなるのは、死んでしまうほどつらい」 見上げた先でうっすらと笑う彼の顔が、とんでもなく色っぽくて、俺はついその綺麗な紫がかった青い目を、じっと見つめてしまった。 「……どうした?」 しかも、彼が戸惑うほどにじっくりと。 「ん、あー、なんか、ちょっとドキッとして」 何も偽らずにさらっと答えると、彼は俺を見つめ続けたままフッと笑う。 「珍しいじゃないか、そんなことを言ってくれるなんて」 「たまにはいいだろ、そう思ったんだから」 「もちろんさ。嬉しいよ、ありがとう」 言葉遊びみたいなことをしながら、彼はクッションを使って、着々と俺の腰のポジションを整えていく。
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