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たっぷり寝た。 食事をとって横になったまま、何となく知らない外国映画に目をやっているうちに眠ってしまっていた。 機内でWi-Fi使えるの知らなくて、スマホはそのまま機内モードにしていたんだけれど、到着して機内モードを解除したら、アホみたいに彼からメッセージが届いていた。別荘で再会する前のメッセージ攻撃を思い返してちょっと笑った。 「ハニー会いたかった! 全然返信をくれないからどうしていたかと思ったぞ」 飛行機を降りると同時に抱きしめられそうになったのを、人目を考慮した上で制して、軽いキスと手を繋ぐだけにする。 「悪ぃ悪ぃ、Wi-Fi使えるの知らなかったんだよ」 「最近の飛行機は使えるようになってるんだ。言うのを忘れていたな、すまない」 彼は少ししょんぼりした。 たまに1人になるのもいいと思ったけど、俺も俺でまるまる12時間彼と触れ合わなかったのは初めてで、少しスゥスゥして落ち着かなかった。それを口に出すのは躊躇われたけど。 「まぁ、離れてた分、これからずっと一緒にいられるだろ」 少し手を強く握ると、彼も軽くうなづいた。 「もちろんだ。離さないからなハニー」 「全然来たことない国だし、逆に離されたら困るわ」
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