proof

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「俺の腕につかまっていてくれ」 優しく微笑みながら言う。その笑い方に安心したのもあるけど、1人で歩けって言われたら緊張しておかしな歩き方をしそうで、しっかりと彼の腕にすがりついた。 「パートナーのいる招待客は、こうしている方が自然で好まれるんだ」 「そう、なんだ」 「俺がお前に触れていてほしいのもある」 「ふっ……笑わせんなって」 兵隊はニコリともしない。少し緊張感を伴うべきなんだろうけど、緊張がほぐれた。 堂々と赤絨毯を進む彼に寄り添い、少しでも彼に相応しいように振る舞いたくて胸を張って歩く。正直、男同士で変に思われないかな、と思わないところがなくもないけど、彼と結婚した頃に比べたら、その気持ちはかなり薄まってきていた。 木の扉をくぐる。 青っぽい白の大理石で床から天井まで彩られたエントランス。その天井も20メートルくらいあるだろうか。目の前には踊り場で二手に分かれたでかい階段。真っ直ぐに赤絨毯が敷かれていて、青っぽさと対照的でやけに目立っていた。 その赤絨毯の脇には、外とは対照的に、燕尾服で白手袋の使用人みたいなおっさん達が、ずらりと並んでいた。 「この度はようこそお越しくださいました。お部屋の方にご案内させていただきます」 その中の1人のおっさんが、やたら渋い声で話しかけてくる。
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