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まぁ彼の立場を考えるとそうやって交流するのも大事な仕事だっていうのもわかるんだけど、どうしてもそういうのは苦手だ。
部屋が広いというだけあって、廊下も長くて何十メートルも向こうに続いていた。折れ曲がって更に奥に続いているらしい。その途中途中に、細かい彫り物の施されたドアと猫足状のドアノブが並んでいる。学校の校舎みたいに、廊下を挟んで向かい側は大きな窓になっていた。日差しが降り注いでとても明るいけれど、天井には小さなシャンデリアも等間隔で並んで吊るされている。
「下の階は2人の新郎のご親族の皆様、そして上の階は各国の王侯貴族の皆様のお部屋となっております」
「うぇへ」
おっちゃんの言葉につい変な声を出してしまった。彼もおっちゃんも気にする様子もなかったからよかったものの、王侯貴族とかホント意味がわかんなくて。
「この国と交友関係のある王侯貴族だろうな、どのくらいの国から来ているんだ?」
彼が尋ねると、おっちゃんが「40カ国……」と口にする。その途中で、突然立ち止まって、道の先で軽く頭を下げた。長い廊下の向こうから誰かが来る。
彼も軽く会釈した。誰だかわかんないけど、つられて軽く頭を下げた。
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