6人が本棚に入れています
本棚に追加
/175ページ
悪魔のその感情も、神様のシナリオ通りかもしれません。
神様はとても嬉しそうに、そんな神様の目がよく見えるように、無表情な悪魔の顔を人差し指で押し上げて上を向かせました。
「『神』同士が興味を持ち合っても、互いの都合の押し付け合いだろ」
「……」
「互いを尊重するなら、それも孤独と同じことだ。バラバラのパズルが、偶然隣り合う相手を見つける、そんな幸運はあり得ないから」
この神様はどうやら、とんでもない欲張りのようでした。だから独りなのだと、悪魔にはわかります。
ぴったり合う相手でなければ、神様は嫌なのです。そんなヒトはそもそも存在するものでしょうか。
悪魔は純粋に、不思議な気持ちになっていきました。
「人間が相手なら、孤独を忘れられると思ってるんですか?」
果たしてヒトというものは、そこまで神様に都合の良い存在でしょうか。
使いの神様はいったい、ヒトに何を求めているのでしょうか。
ヒトを糧として生きる悪魔は、少しずつ思いを巡らせ始めます……。
*
最初のコメントを投稿しよう!