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どうして
どうしてどうして
どうしてどうしてどうして
そんなことばかり考えて
でも理由は分からなくて
ただ一つ分かることは
僕は殺されるということ
最近、仲間の神と呼ばれる存在が消えていくのを感じていた
でもこの国には数え切れない程の神がいて、その神は消えてもまた新たな形で存在している
だから気にしていなかった
だけど、神は日に日に減り続けている
さすがにおかしいと思い、僕は隠れ蓑から外に出た
それが間違いだった
外に出た瞬間、何かが頬を掠めた
それが何かを確認する間もなく僕は肩に衝撃を受けた
血が出ている
咄嗟に隠れ蓑に戻ろうとしたけれど、それを許さないとばかりに今度は爆発音がした
僕は爆風に飛ばされた
身体中に痛みを感じる中、倒れた身体を必死に起こすと目の前に一人の人間が立っていた
その人間は僕を殺そうとしている
どうしてかは分からない
でもこの人間は既に多くの神を殺している
僕は最後の神だ
最後の神として問おう
何故殺す
何もしていない
我ら神を
人間は応えた
何もしていないからだ
どれだけ人間が願おうと
何もしなかったからだ
この世界に神などいらない
僕は逃げた
死にたくないと
否、消えたくないと
人間は追いかける
神と呼ばれているが、特別な力などない
ただそういう存在なんだ
ならば尚更いらない
いやだ
どうして
いやだ
どうしてこうなったのかは分からない
どうして人間が神を殺すのか
どうして神は人間を殺せないのか
どうして僕は最後の神になったのか
どうしてー
この国にはかつて多くの神が存在した
しかしそれは昔の話ー
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