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ピッーーーーー
右手に持っていたカードキーを通した。
ここは自分の家でない。
今いる場所は東京都内、新宿のビルの地下。
地下何階だろうか。
エレベーターで来たからよくわからない。
表示パネルを見ても真っ暗で、ただ下に行っているんだなと感覚で感じとっていた。
エレベーターの扉が開くと真っ直ぐ直線の通路があって、その先に扉があった。
そのままゆっくりと進んで、もらったカードキーで扉を開けると窓もない大きな部屋があった。
(ここが・・・あの男が言っていた場所か?)
左右を見ると棚にギッチリと入ったファイル。
一冊ずつ分かりやすいように書いているのだが一体何のファイルなのかは、この距離から見えなかった。
『きみが、望月アオイ君?』
『・・・はい。』
本棚を抜けると大きな机と高く積み上がった書類らしきものが目にいった。
声はここから聞こえてきたはずだが、書類が顔以上に積み上がっている為、顔が見えない。
多分、声からして40台の男性だろう。
おっとりとした優しそうな声だった。
男は椅子をガタッと音をたてながら立ち上がると、アオイに顔を真っ直ぐと見るとスッと右手を差し出した。
『きみのことは菅原君から聞いているよ。ようこそ、機密諜報機関(通称:F)へ。』
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