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2章
…寒いな。
春が近づいてきたとはいえ、まだ空気は氷の上を撫でたような冷風だった。ロボットを呼んで毛布を持ってきてもらう。
「ではそろそロ朝食ノ準備を致しマすね」
よろしく、と頼むと急にこちらを振り向く。
「?…どうしたの?」
「ロジー様ハお米よリもパンがお好キですよネ?」
ぎょっとした。ここ数日で私の好みを分析しロボットが自分で判断して結論を出すなんて。思っていたより人工知能の成長が早い。
「ロジー様?」
「あっ、う…うん、パンでお願いできる?」
「かしコまりマした」
また私は驚いた。気のせいだろうか。微かに、
微笑むような表情を作ったように見えた…。
いや、見間違いだ。
疲れてるんだ。
きっとそう。
その日のご飯は美味しかった。
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