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変化
それからロボットが作る食事は私の好物だらけになっていった。当初のプログラムの他にいつの間にかレパートリーも増え、私の気分が優れない時には甘いフレンチトーストを作ってくれたり、気遣う言葉をかけてくれたりするようになった。
……嫌に、なってくる…。
ある日、
「ロジー様、そロそロメンテナンスのほうを…」
「ちょっと今疲れてるの」
「…わカりマした。無理ヲしなイで下サいね」
っ…!そういう、所が…!
カッとなって血液が上っていくような、
一気に頭が熱くなるのを感じた。
「あなたはっ!ロボットでしょう!?余計なことを言わないで!!」
「…スみまセん。」
それはロボットの「思いやり」で。…なんて人間らしい。嫌気がさす。それから私は大事なメンテナンスを怠るようになった。1枚、2枚、カレンダーをめくっては捨てた。滑らかに動いていた関節部分は少しぎこちなくなっている。生活に支障が出るほどではないが…。ティーカップを片付けるロボットの腕の合皮が…めくれていた。
「それ、どうしたの」
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