ーphase1・2108年8月15日/東京ー

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*** 背中を流れ落ちる汗で服がべたりと肌に貼りつく。がれきの山の間を器用に進み、急な坂を下ると、外壁の剥がれ落ちた小さな廃工場が姿を現した。 周囲の様子を伺いながら、澄良は敷地へ足を踏み入れた。 がれきがうず高く積まれている一角に近づいてしゃがみ込む。音を立てないようゆっくりとがれきを片付けると、下から真新しいマンホールが現れた。 マンホールを慎重に持ち上げ、横にずらすと下は藁のような簡素な素材のマットがあり、さらに下は空洞になっているようだった。マットに耳を押し当てると、規則的な機械音が聴こえた。 予定通りトラップが仕掛けられている。 ほっと一息吐き、爆弾が作動しないよう隅に隠された液晶の認証を解除し、澄良は慎重に地下へ身体を潜り込ませた。 ぎしぎしと音を立てるはしごを降り、暗く先の見えない通路に降り立つと、澄良は振り返ってはしご脇の壁にライトを当てた。 一文字の傷が3本。 事前の打ち合わせでは澄良を入れて3人のはずだったが、一人多く来ているようだ。 あまりよくない傾向だ。 計画の遂行では、少しのミスも命とりとなる。予定外のことが起きているならば、最悪実行を取りやめなければならないかもしれない。胸に広がる不安を抑えながら、暗い廊下を音を立てずに進む。廊下の左右にあるドアには目もくれず、突当りまで進むと、一段と古びたドアが現れた。もしかすると、先に待ち構えているのは仲間ではないかもしれない。入ってすぐ戦闘になることを想定し、澄良は逃走経路をシュミレーションしながらドアに手を掛けた。
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