柳 総介

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 ドアの隙間から、きららは怖がりもせずにこちらを見ていた。丸い目をさらに見開いて、瞬きせずに歯を食いしばっていた。その瞬間、以前と同じ湿った吐息をはっきりと首筋に感じたのだ。かすかな生臭さまで嗅ぎ取れたのだから、もう気のせいではない。
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