母たちの役目

柳 総介

　自分のアパートに着き、いつの間にか強張っていた肩の力を抜いた。

　溜息をついてベッドに腰かける。大体、どうして明日香は呼び出したのだろう。相談事ならラインで済むはずだ。ケイの様子以外にも理由があるのか。

　考えていると、スマホが鳴った。明日香だ。

『今日は本当にごめんね』

　手を合わせる絵文字のあとに、文章が軍隊蟻のようにびっしりと続いている。
　家を買ってから今に至るまでの経緯が、事細かに記されていた。