オープニング

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オープニング

小学生の時、授業では、 「はい!」と大きな声で、 ピン!と手を伸ばして、 みんなで手を挙げることが“普通”だった。 100点をとることも、“普通”だった。 いつからだろう、それらが“普通”でなくなったのは。 気づいたのは、高校生の時。授業では、 「....」と無言で、 しなっ。と肘を曲げて、 ぱらぱらと数人のみで手を挙げることが“普通”になっていた。100点をとる人なんて滅多にいなくなっていた。 みんなは変わってしまった。 しかし、わたしは変わらなかった。 そして、かつて“普通”だったわたしは、 やがて、特殊な人間、“真面目”と呼ばれるようになった。
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