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そうなのだ。
優香はめがねをやめ、コンタクトにしたのだ。
やはり、人間は見た目からだ。
まずはめがねをやめることで、みんなに受け入れてもらいやすくなるかもしれない。そう思い、お母さんに頼んだのだ。するとなんと、すぐにコンタクトを買ってくれたのだ。
お母さんいわく、「めがねは見ているだけで目が悪くなりそう!」らしい。正直言って意味がわからない。が、どんな理由でも、こんなにすぐに買ってもらえるとは思わなかったので、お母さんの変な価値観に感謝、感謝だ。
(このコンタクトパワーで、面白い挨拶を繰り出してみせる....!)
そんなことを考えていると、もう私の視界の中には、少しオンボロな校舎がうつっていた。この校舎こそが私の通っている花宮高校だ。
ゴクン
口の中の唾を飲み込む。
実際に学校を前にすると、緊張してくる。
「だだだいじょうぶ、だいじょうぶ、いめーじはなんかいもしたんだから。」
これ以上にないくらいの頼りない声で自分に言い聞かせ、私は校門をくぐった。
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