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面接官のおばちゃんとしばし呆然。さすがに可哀想と思われたのか、しょっぱい表情をして縫い直してあげると目隠し用のカーディガンを渡されました。
それで下半身を隠し、チクチクと私のスカートを縫うおばちゃん。面接に落ちてるだけに、私の心もチクチクとしますよ。
無言が続いていた時に、おばちゃんが口を開きました。
「桃田さん、どうして不合格になったか分かる?」
手を止めて、私を見つめて言いました。
「いやぁ~……資格も経験もないからですかねぇ……?」
ポリポリ、と頬を掻きながら答える私。
「それは関係ないわ。まず、入室の時に失礼しますも、よろしくお願いしますも何も言わない。動きもマイペース。受け答えも『はぁ……』とかやる気も覇気も感じない」
スーパーダメ出しタイムktkr。
「服装はいいのよ。けどね、せめて髪を整えたり、軽くお化粧したりしたりしないと接客業は受からないわ。あなた、自分が働いている姿を想像できる?お客様として来店した時に、そんな自分を見てどう思うかしら?」
何も言い返せずに、無言になってしまった私。少し経つと、直ったスカートを渡された。
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