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「……ありがとう……ございます……」
「キツイ事を言ってごめんなさいね。けど、少しは考えてみて。気付いて直せたら、きっと変われるから」
その後どうやって事務所を出たのか分からないけど、電車で帰る気にもならず、歩きながら考えてしまう。
ふと、ショーウィンドウに写る自分に気付いた時に思ってしまったのです……。
腰まで髪を伸ばした、葉加〇太郎かパパ〇ヤ鈴木じゃないか、と。
……うん、こんな店員なんて嫌だし、自分が面接官だったら落とすわ……。
そう思うとすれ違う人に笑われているような気になり、大通りから小道へと入る。
とぼとぼと歩きながら、面接官のおばちゃんに言われた事を思い出すと涙が溢れてきました。見られるのが恥ずかしくて、さらに小道へと進みます。
気付くと辺りは何もない場所。強いて言えば、かなり高さのある壁が連なっている小道。周囲には人もおらず、今度は迷子かよ!と思ったら、またヒールが折れました。両足ともに。
私の心もポッキリと折れ、声をあげてギャン泣きしてしまった時に不思議現象が起こりました。
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