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「今しがた使いを出したばかりだろう?そうだ、水を飲め」
「ちょっとぉ!お客さんに水とか……って何も出してなかったぁ!」
「私も出す~!」
全員が立ち上がり、隣のキッチンと思われる場所に行くこと数分。
私の前にはコップに入った水、アジアンテイストなカップとソーサーに注がれた烏龍茶、かわいい湯呑みに入った玄米茶が置かれています……何で三種類も??
とりあえず右側の女性が怖いので、ユキと呼ばれた女性が持ってきた水を飲みました。
「……うわぁ……冷たくて、まろやかで……ほのかな甘味を感じる……美味しいです」
恐る恐る感想を言うと「そうか」と一言。チラリと顔を見ると、ほんの少しだけ口角が上がっています。怖くてちゃんと見れなかったけど、改めて見ると色白で切れ長の目をしていて、本当にモデルさんのような美しさでした。
「私の故郷の水だ」
一言そう言う彼女は、きっと自慢の水を飲ませてくれたんでしょう。きついんじゃなく、きっと口下手なんだろうな、と思いました。
「ちょっとユキ!あんた自分から絞り出した水じゃないでしょうねぇ!?」
……は?
「蛤じゃあるまいし、そんな訳あるか!!」
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