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やいのやいの騒いでいる二人を見ていると、自然と笑いがこみ上げました。
「どうした?」
「どうしたのぉ?」
二人に問われます。
「いえ……二人のやり取りが面白くて……蛤って、蛤女房のことですよね?二人とも妖怪の話しをするとは思わなかったんで……」
ピシッと固まる美女二人。かわい子ちゃんはいつの間にかけん玉に夢中だ。
「……とにかく、隣で水を入れていたのを見ただろう?」
「冗談よぉ~」
言い合いは終わってしまったようです。
「百合ちゃん、私の烏龍茶も飲んでみて~?」
ニッコリと微笑みながら甘えられると、世のおじさま達の気持ちが分かる気がしました……。真ん中の女性が持ってきた烏龍茶に手を伸ばします。
湯気と共に果物のような、とても気品高い香りがします。
「……え?烏龍茶ですよね……?すごく香りがいい……」
そう言うと嬉しそうに微笑みます。
一口だけ口に含むと、普段飲んでいた烏龍茶ってなんだろうって気になりました……。後味までしっかりとしていて、絶対にお高いお茶だと貧乏舌でも分かります。
「すごい……香りもいいですし、後味も気品溢れるっていうか……」
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