出会い

10/14
前へ
/1103ページ
次へ
「すっごぉい!分かってくれて嬉しい~!むかぁしね~、住んでた所のお茶なの~」 「へ~……どこに住んでたんですか?」 「中国よ~。そこの一番高い茶葉を買ってみたのぉ」 おぅふ……この美貌なら世界で通用することでしょう……てか、お金持ちか!? 「わらしの!わらしのも飲んで!!」 あやとりもけん玉もやめたかわい子ちゃんが、身を乗り出してアピールを始めました。 五~六歳かな?わたしって言えず、わらしって言っちゃう舌っ足らずがまたかわいい! 「うん、いただきます」 湯呑みを手にし、香りを嗅ぐと普通。一口飲んでも、これまた普通。 「どう?どう!?」 さらに身を乗り出すかわい子ちゃん。 「えっと……おいしいよ」 笑顔で答えてみれば、恐ろしい言葉を放たれました……。 「うんとねー!しょーみきげんが十年前だった~!」 「ブー!!!!」 見事に吹きました……。 「あんた何て物飲ませてんのよ!!」 「客だぞ!?ふざけるな!!」 サッと渡されたティッシュで、顔やら口やらテーブルやらを拭きます。口からダラダラとお茶を垂れ流した私は、かなり酷い顔をしているはずです……。
/1103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

713人が本棚に入れています
本棚に追加