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「うわっ……すごい!気付いた!」
「よく気付いたな」
なんか褒められました。男性は優しい眼差しで私を見つめます。恥ずかしくって目を逸らすと、部屋の入り口に赤い顔のおじさんと青い顔のおばさんがゼーハーゼーハー言いながら立っていました。大丈夫かな……?
あれ?さっき使いを出したってこの人達のこと?ってことは……
「……ぬん……さん?」
「そうじゃ。ぬんでいいぞ」
笑顔もまた素敵。大人の余裕ってこういうのなのかなぁ……って、謝らなきゃ!!
「あの……あの……不法侵入してしまってすみませんでした!!」
自分の口から不法侵入という罪名を発したら、怖くなって震えて来ました。
「なぁに怖がる必要はない。わらしに呼ばれたんだろう?この家もワシらの事も見えるじゃろ?」
いたずらっ子のように、ニヤリと不敵な笑みをこぼすぬんさん。
「……見える……とは……??」
「この家の感想は?」
「え……?外装も内装も大正ロマン」
フフっと笑うぬんさん。
「あ奴らも見えるな?印象は?」
さっきの入り口の二人を指します。
「走りすぎて血圧の上がったおじさんと、体調悪くなっちゃったおばさん」
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