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「人間寄りの妖怪もたくさんおる。特にワシらの周りにはな。じゃから時折遊びに来るんじゃよ。その妖怪達も、ここに来ればワシらに会えると思っている。じゃから土地を貸してくれている人間に感謝しているのじゃ。
ワシらは話し合い、仕事をして金を稼ぎその金を所有者に渡そうと思ってるんじゃが……何をしたらいいのか分からん。
百合子、力を貸してくれないか?」
最後の一言で真っ赤になる私。家族以外の男性に、下の名前を呼び捨てにされたことなんて小学生以来なかった。しかもこんなイケメンダンディーに!
「頑張ります!」
後先考えずに返事をしてしまった。
「やったぁ!!百合ちゃん今日は泊まりなよ~!」
「それはいいな」
萌さんとユキさんに言われ、かなり悩んだけど泊まることにしました。
「それはそうと~、ぬん!コレ百合ちゃんに憑いてたの!!」
シュっと萌さんから尻尾が出た。正体バレたらもう隠さないんですね……普通にビビりました……。
一本だけ出した尻尾の先は丸まっていて、何かを掴んでいるようです。
それを受け取ったぬんさんの手元を見てみると、薄汚れた手の平に収まるサイズの……人!?
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