713人が本棚に入れています
本棚に追加
そのまま数年。立て続けに何件かの「結婚します」の報告。お友達だった子達です。私にとっては痛恨の一撃、二撃……オーバーキル。
もう何年も外に出ていないニートは、御祝儀だって用意できないしパーティードレスだって持っていない……馬鹿な私はそれを完全無視し逃げました。布団の中へ。
結果、お友達すらいなくなりました。
転機は今年のお正月。一つ年下の弟が神妙な面持ちで帰って来ました。ちなみにこの弟、いわゆるエリート街道まっしぐらのリア充です。
夜、聞こえてしまったんです……。
『今すぐにでも結婚したい人がいる。けど、あんな姉ちゃんいたら破談になってしまう。親父、何とかしてくれ!』
ってね。
弟まで結婚とか……一周まわって大草原不可避。
毎日ビクビクしながらも知らないフリをしていたある日、ついにお父さんに呼ばれました。
『もう限界だ。この家から出て行け!住む場所も、三ヶ月は暮らせる資金も用意した。これが限度だ。仕事を探して自立しろ』
私に激甘なお母さんも一緒に怒られ、私は翌日隣町のボロアパートに強制的に連れて行かれました。
お母さんはこっそりと、面接用のスーツを一式買ってくれました。
最初のコメントを投稿しよう!