年末年始

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それからも長蛇の列が途切れることはなかったのですが、時刻が十一時くらいになると本殿に人が並び始めました。お手伝いに来てくれたチーム猫又もようやく休憩をとることが出来そうです。 「油断はダメにゃ。日付が変わるとまたさっきみたいになるにゃ」 ちらんさんだけは休むことなく汁を作り続けます。当初、買って来すぎでは?と思った麺つゆですが、順調に減っており無駄な在庫を抱えなくても良さそうな量になっています。 初詣に来た私とぬんさんですが、あまりに並ぶ参拝客を見てしまうと並び直すのも……という雰囲気になってしまい、そして馴染みの妖怪たちがいるので居心地が良く、動けなくなってしまいました。 そうこうしているうちに十二時となり、本殿の屋根の上にウカ様が現れました。優しく微笑み参拝客を見守っていましたが、私に気付くと驚いた表情をしつつも手を振ってくれました。ですがすぐに前に向き直り、参拝客の想いを聞いているようです。 そして山田さんはというと。 「御神酒をご希望の方は中へどうぞ!」 本殿の扉の前で叫んでいます。どうやら本殿の中まで行くと御神酒を飲ませてくれるようです。もちろん販売もしているようです。ウカ様の力が込められているのか、私たちには御神酒が薄っすらと光って見えます。 そして無料のものに遠慮がないこの町の人たちは、御参りをすると当たり前のように本殿へと入って行きます。 無料って(以下略)
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