年末年始

19/24
708人が本棚に入れています
本棚に追加
/1103ページ
ちらんさんの予想通り、参拝を終えた人たちはお守りやおみくじを買うために社務所に向かう人たちと、そばを食べたい人たちの二手に分かれました。 二手に分かれたと言っても、参道からはどんどんと人が押し寄せるので境内にはもう人が歩くスペースすらほとんどありません。 すると私たちとテント裏にいた鬼塚さんが、テント設営で余ったのか地面に置かれていた鉄パイプを持ち始めました。 「鬼塚さん!早まらないでください!」 新年早々、流血事件なんて起こされたら困る私は必死に鬼塚さんを止めました。 「心配するなよな!」 笑顔で鉄パイプを持つ鬼塚さんに続き、強面の鬼頭さんまで鉄パイプを持ち始めました。きっとアウトなレイジな世界になったり、鬼塚が如くな世界になったりするのだと思い悩んでいるうちに、鬼塚さんたちは鉄パイプを引きずりながら参道へと向かいました。もちろん物騒なものを持つ二人のために道が出来ます。 「一回ここでストップだぜ!もう境内に人が入れねぇんだな!用が済んだ人は参拝がまだの人のために、早めにお帰りくださいなんだぜ!」 なんと鬼塚さんはロープ代わりに鉄パイプを使って入場制限をしてくれています!強面の鬼頭さんは「キッチリ並んでくれないと困ります」と、参道の左側に参拝客を並ばせ、右側は帰る人の為に空けるように説明をしています! もちろんカタギに見えない二人が鉄パイプを持って現れたので、誰一人騒ぐことなく指示に従っていますよ!
/1103ページ

最初のコメントを投稿しよう!