年末年始

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私とぬんさんは申し訳ないと思いながらその日は帰り、他の妖怪メンバーは保育園で休ませてもらいながらそのまま三が日が過ぎました。私はしぃちゃんとすごろくや福笑い、かるたなど、正月らしい遊びをずっとしていたので全て又聞きとなってしまいましたが、三が日は大変だったそうです。 当初、あんなにも参拝客が来るとは全員が予想しておらず、山田さんが大晦日から元旦にかけてのそばの無料配布を決めたようですが、あまりの参拝客の数に急きょお雑煮を配ることに決まったそうです。決めたのは山田さんの存在を無視した妖怪メンバーだそうです。 赤さんと青さんが、鶏ガラを煮込んで作った醤油ベースのお雑煮は大好評で、さらに追加で買い出しに行くほどだったそうです。 烏天狗の皆さんを使って方々に買い出しに行き、鬼塚さんは餅を焼くための七輪まで用意したそうです。ちなみに鬼塚さんと鬼頭さんは三日間、神社の警備と整列係をやってのけたそうです。 萌さんとユキさんは当然と言うかなんと言いますか、社務所内で断トツの売上を叩き出したのだとか……。全く同じものを売っているのに、人の下心と美人パワーには驚かされました。 そして参拝客が多いということは、お賽銭も想像以上に投げ込まれていたそうです。もちろん山田さんのニヤニヤは止まらなかったそうですが、妖怪の皆さんは山田さんには優しくありません。 赤さんたちは買い出しのレシートを渡してお金の請求をし、鬼塚さんは調理器具のレンタル代を請求し、さらにその光景を見たウカ様が降臨し『こんなに手伝ってくれたのだから、ちゃんとお給料を渡しなさい』と怒られ、お賽銭やお守りなどの売上からごっそりとお金を取られたというオチまであったそうです。 以上、三が日の様子でした。
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