幽幻會社 夢現堂

新年会

正月も終わり、バタバタも落ち着いた一月の中旬に萌さんが騒ぎ始めました。

「ね〜百合ちゃ〜ん。新年会は〜やらないの〜？」

私の人生において、縁のない言葉が出ました。

「……新年会って……パリピとか会社がやるアレですか……？」

「本物のパリピは〜年中パーティーしてるわよ〜。それに〜、百合ちゃん社長さんでしょ〜？」

はっ！確かにパリピはいつでもパーティーをするからパリピなんですもんね。ではなくて、いまだに自覚がないですがそういえば私、社長でしたね……。

「でも関連会社の全部が入れるお店はないんじゃ……」

「そんなの〜小分けにしてやればいいじゃな〜い。全部に参加するし〜」

キャッキャとはしゃぐ萌さんですが、要するにお酒を飲んで騒ぎたいんですね？それが毎日でも構わないということなんですね？とんだパリピが目の前におりました。

ですが新年会という私の未知のものをやれば、皆さんのやる気にも繋がりますよね。善は急げと言いますし、その場であちこちに連絡をしました。

そして始まった新年会ウィークですよ……。Holeshとカラフルの合同新年会に始まり、一日開けて猫耳喫茶と餡子亭に大豆屋との合同新年会、さらに裏庭に住んでいる妖怪たちと烏天狗一族をお屋敷に招いてのある意味身内の新年会、そしてスーパー銭湯とミニ四駆屋の合同新年会には鈴木さんも参加してくれました。さらにさらに、連日飲み歩く私を見てか、『商店街』としての新年会も開催することとなり、古くからこの場所でお店をやっている皆さんとも飲んだのでした。

ようやく飲み歩きの日々が終わったと思ったある日、私のスマホが鳴り始めました……。