新年会

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スマホを確認すると珍しい人からの電話でした。 『小滝くん』 画面にはその名前が表示されています。昨日商店街の人たちと開催した新年会には、お祖父さんである小滝さんがおりまして、みんなでワイワイと楽しく飲ませていただきましたが……はっ!まさか飲ませ過ぎてしまったのでしょうか……?商店街の皆さんにも「酒が強すぎる……」と言われてしまいましたが、私はいつもよりだいぶおさえて飲んでいたのですが……。 「もしもし?小滝くん?どうしました……?」 生つばをゴクリと飲み込みながら通話ボタンを押すと、明るく言う『もしもし』にホッとしました。 『百合子さん、最近新年会をやってるって聞いて。じいちゃんとも昨日飲んだんですよね?それでなんですけど、この前ホスト時代の先輩から連絡があって……』 そこまで言ったところで、聞き覚えのある声の主にスマホを奪われたようです。 『姉ちゃん!なんで俺っちたちと新年会してくれねぇんだ!?』 「……すいません……すっかり忘れていました……」 ある意味一番濃い存在の鬼塚さんですが、本当にうっかりと存在を忘れていたんですよね。 『それでよ、今日俺っちたちの会社の新年会をやるんだけどよ、英雄のホストの先輩が俺っちたちの仲間だったことが分かったんだぜ!そいつも来るんだけどよ、姉ちゃんも来いよ!』 「……え?」 『萌とかユキは怖えからよ!姉ちゃんだけ来いよ!』 さり気なく萌さんとユキさんをディスってますが、お二人はまだ寝ているようですし、ぬんさんはたまにこの土地ではない場所にいる妖怪に会いに行ったりするらしく朝から居ません。まぁ私は予定がないからいいんですけど。 『おし!じゃあ七時にぼったくりでな!』 そしてそのまま通話を切られてしまいました。……予定時間まで二度寝しましょうか。
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