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そっと包丁を抜き、安達さんにお返ししていると萌さんが騒ぎ始めます。
「ね〜ね〜!百合ちゃ〜ん!この鬼、何の鬼か分かる〜?」
「え?小鬼じゃないんですか?」
素で返すと、萌さんだけでなくユキさんも笑い始めました。
「やだ〜百合ちゃんったら〜。小鬼って〜大体こうよ〜」
そう言って鬼塚さんを指さします。ですから失礼ですからやめましょうね?
「そうだな!みんな俺っちみたいにカワイイ顔だろ!」
鬼塚さんは「えへへ」と笑いながらそう言いますが、すみません、一般人がこの場に来たらヤの付く人たちの会合にしか見えないと思います。
「……なまはげ?」
鬼塚さんを華麗にスルーして答えてみましたが、ユキさんがツボに入ったようです。
「赤と青を毎日見てるだろう?コイツは赤くも青くもないぞ!」
ユキさんの笑いが止まらなくなってしまいましたが、ユキさんのツボはいまだに良く分かりません。すると萌さんがシュウジさんに話しかけています。
「戸籍〜作ってるの〜?」
「うん。ホストなんて天職でしょ?だいぶ稼がせてもらってるけど、貯金は萌にはまだまだ敵わないな」
待ってください。ホストの給料ってすごい額ですよね?そんな給料をもらっている人が「まだまだ敵わない」って……いや、考えるのをやめましょう。国を買えそうとか前に言ってましたよね……うん、踏み込んだらいけない領域の話です。最近も宝石を貢がれたと夕食の時に言ってましたもんね。海外の人に。ワールドワイドな妖怪ですし、家ではダラダラしてるのにそういう時はフットワークが軽いですよね、萌さん。
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