新年会

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「……ってことなんですよ〜」 「百合子、いい感じだぞ」 なぜか私は散々飲まされ、かなり酔っています。そんな酔っている私にユキさんは嬉しそうに「いい感じだ」と言いますが、意味が分かりません。 「ほれ!追加の鮭とホッケの死骸焼きじゃ!」 安達さんは「死骸焼き」なんて言いますが、普通の塩焼きです。 「安達さん!本当〜にネーミングセンスありますよね」 「いいからもっと飲め」 安達さんにまでお酒を勧められてしまいました。 ──── それから数時間後、日をまたいだくらいでしょうか?和気あいあいと飲んでいる中、萌さんが突然質問をしてきました。 「百合ちゃんって〜、好きな人はいないの〜?」 「そんら人、いませんけろ?」 あれれ?私、初めてこんなに呂律が回りません。 「そっか〜じゃあさ〜、こんな人がいいな〜って理想の人とか〜いないの〜?」 なんか急に辺りが静かになった気がします。 「理想れすか〜?……ん〜……」 それまで全員が私を見ていたのですが、一気にシュウジさんに注目が集まりました。 「マジかー!」 「やっぱり〜!」 「そっかそっかー!」 みんなが騒ぐのでシュウジさんを見てみると、あまりにも素敵な人がそこにはおりました。 「酒呑童子の〜能力って〜好きな相手を見せる……百合ちゃん!?」 ベロンベロンに酔った私はトキメキ度が上昇してしまい、その場で意識を失ってしまったのでした。 翌日、そのことを思い出そうとしても思い出せず、萌さんたちに聞いても「理想の人を見て酔いつぶれた」とからかわれるだけで、モヤモヤが残った新年会でした。素敵な人だったという印象は残っているのになぁ……。私の恋は始まる予感すらありません。
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