雪のトラブルで彼女を救う

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時々大雪が降る地方なので、街の中は渋滞で大混乱になる日もあった。 僕の車は雪道に強い四駆の車。 雪道でスタックすることはほとんどない。 大雪の中でも、普通に走って通勤可能。 「ふれふれもっと降れ~」って思うことがある。 彼女は軽自動車に乗っていてチャイルドシートも装着。 エアロパーツも組んである。 更にターボ付き。 スタッドレスタイヤを使用しているとは言え、ちょっと雪の量が多かったらスタックしてしまう。 彼女の通勤距離は、施設からそんなに離れてないようだが、その前に保育園に子供を送ってから職場に来る。 遅刻することなくとりあえず駐車場に止めることができたようだが、他の職員の人がスタックして駐車場内で雪をかいてもがき苦しんでいた。 「仕事前に雪かきなんて信じられない」と、文句を言う職員もちらほら。 性格の悪い職員なんて、早番だったらしく、7時半には職場に行かないといけないのに、現時点で8時。 「ちょっとあんた!私の車を止めれるように雪かきしなさいよ!」と怒鳴ってきた。 なんなんだ!このおばさんは!?って腹が立ったけど、雪かきしておばさんは駐車場に止めてさっさと走って行った。 なんて奴だ!って思ったが、まだまだスタックする職員が多く、とりあえず僕は施設の管理者なので、朝から夕方まで1日中、雪かきをして過ごした。 親分に、雪かきしなさいよ!って知らない職員に怒鳴られた!って言ったら、「そんな職員がいたのか!?名前は?!」って聞くからわからなくて4階に上がってその性格の悪い職員の名前を調べに行った。 写真と名前の載った掲示板があったので、名前を見るとおばさんの名前は、加藤と書いてあった。 親分に名前がわかったら言いに行こうと思ったら運悪く、加藤おばさんが現れた。 「げ!」と思ったけど、顔に出たかも。 加藤おばさんは話しかけてきた。 「ちょっとあんた、朝は悪かったわね、雪で遅刻して焦っててあんな嫌な言い方したわ。これあげるから許してよ」と言ってドロリッチをくれた。 その瞬間、「ああ、このおばさんは本当はいい性格なんだな」って評価が変わった。 おばさんの名前は加藤ゆみぴーと名付けた。 帰りの時間になると、職員たちはみんな帰っていくのだがその日はいつもと違った。 17時から18時までの間、1時間ほど僕は電話当番のために残業していた。 電話当番は事務課内で交代で毎日行い、僕はほとんど火曜日の担当。
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