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「キャア!」
思わず由紀は、その男から離れて立ち上がった。
男は血の涙を流しながら、その場に倒れこんだ。
そこには、その男の血だまりがどんどん広がって行った。
「な、なんなの?」
由紀は震える声で後ずさると、今度は先ほど目の前に立っていた女性にぶつかった。
由紀が振り返ると、その女性の首には、縄がついており、その縄は電車の握り棒につながって、女性の口からは、舌がだらしなくデロリとはみだし、目は血走って顔はうっ血して紫色になり、胸に抱いた赤子の目と口からは蛆虫がこぼれ落ちていた。
「い、いやあああああ!」
由紀は、腰が抜けて、床にしりもちをついて失禁していた。
「なんだ、お前、おもらしをしたのか。くせえな。」
見下ろしているのは、鈴木悠人だ。
「す、鈴木さん、助けて!」
「それは、無理だよ。これは、お前が望んだことなんだろう?」
「そんなわけないじゃん!」
鈴木悠人は、由紀をぞっとするような冷たい目で見下ろした。
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