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「先輩?いつまでも、そんなちっぽけな昔の栄光にすがってるんです?」
みんなが私を笑っている。
畜生!バカにしやがって!
許せない!
由紀を取り囲んで笑っている。
鈴木も。その妻も。警察官も。上司も。
由紀の周りの景色は笑う人々の黒い渦になった。
やめて、もう!やめて!
いやああああ!
「ねえ、由紀先輩、入院したらしいよ。」
「え、あのお局様、どこが悪いの?」
「なんかね、精神を病んだらしい。」
「うっそ!人を追い込むことがあっても、自分が追い込まれるなんて信じられない。」
「なんかさ、あの人、何かといえば、昔読者モデルだったこと自慢してたじゃん?」
「あぁ、あれってたった一回でしょ?しかも、学生の頃、地元誌か何かよ?」
「ええ?でも、私は由紀先輩から某有名雑誌って聞いたけど?」
「嘘に決まってるじゃん。由紀先輩と地元が同じ人に聞いたから間違いないよ。」
「そうなんだ。」
「しかも、あの人、本気で鈴木さんが自分のこと好きだって思ってたらしいじゃん?」
「あり得ないよw鈴木さんって、まだ20代後半じゃん?あんなババア相手にするわけないじゃんね。」
「思い込みが激しいにもほどがあるよね。」
「しかも、電車で注意された男性を痴漢に仕立てあげようとしたんでしょ?マジ、サイコパスw」
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