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なんて気持ち悪い!
どうりでなんとなく不気味なはずだ、絶対絶対これには姫の怨念が渦巻いてる!
「えー、こんなに可愛いのにぃ。神之介ってホントにビビりだよね。そんなんじゃあんた、ウチの神社継げないよ?」
「い、嫌なら継がなくていいって母さんが! 自分の好きな道に進みなさいって」
と言っても、特に将来の展望があるわけじゃない。まだ高校生になったばっかりだし、ゆっくり考えるつもりだ。……神主以外の道を!
「ふーん、そうなんだ。まあそしたらあたしが神主資格取るか、持ってる人を婿に選ぶからいいけどね」
「そんな奴、滅多にいないと思うけど……」
「あたしと結婚したかったら取って♪ って言えば、その気になる人いると思うよ?」
……神楽姉ぇなら言いそうだ。そしてホントに神職目指す男も出てきそう……。
「じゃああたし、来年、國學社大学受験しようっと。あそこ神学科あるんだよねー。さて、自分の部屋に戻って寝ーよう」
「そ、そう……。頑張ってね、おやすみ……」
神楽姉ぇが例の姫人形を抱えて出ていくのを見届け、僕は心から安堵のため息を漏らした。
ホッとしたせいか、急に猛烈な睡魔が襲ってくる。
(あー……なんだろ急に。ダメだ、ちゃんとベッドで寝ないと……)
ズルズルと這うようにベッドに潜り込んだ途端、痺れた頭はいとも容易く眠りに落ちた。
……のだけれど。
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